全力でないと務まらないタレントマネージャー

もともとマスコミ業界に興味があり、表舞台には出ないタレントマネージャーの仕事に就いた尾木英司さん。忙しそうな職業というイメージどおり、時間の取れない中、取材に応じてくれました。担当するタレントの喜びが自分の喜びと語る尾木さんは、芸能人にとってまさに縁の下の力持ち。常に向上心を持ち、自分に厳しい一生懸命な方でした。

芸能マネージメント会社ホリプロのグループ企業『ホリプロインターナショナル』で、マネージャーとして働く尾木英司さん。そこでは、ホリプロ全体のコンテンツを海外発信したり、海外に出資してイベント事業を行っています。また、外国のアーティストやタレントを日本に進出させてマネージメントもしています。 

表にでる“タレント”を選ばず、裏方である“マネージャー”に就いたきっかけは「自分が何かして喜んでもらうのは確かにうれしいですし、それはたぶん表に出る人の発想だと思います。でも、マネージャーはそれを導く仕事だと思っているので、この人はこういうことをすれば世の中に受け入れられるし、他の人もうれしくなるというのをちゃんと管理するというのが、自分の中で面白そうだなと思いました」と話します。

尾木さんは午前に会社で事務作業をして、午後は営業に向かいます。常に『営業資料、名刺、スケジュール帳、パソコン2台(WindowsとMac)』を持ち歩き、携帯電話は仕事用とプライベート用の2台持ちです。

 たまに昼夜逆転してしまう日があるらしく「その日は疲れます」と苦笑いしていました。毎日大変で辞めたくなるときもあると言います。「『辞めてやる!』と日々思っています」と強気でありながらも「急に辞めると、今担当しているタレントに迷惑かけてしまうし、辞めるならできることをしっかりやったと納得したときに辞めます」と責任感の強い人であることが伺えます。今、続けている理由は「自分がした仕事で他の人が喜んでくれるのはとても嬉しいことで、この仕事は特にいっしょに喜びを共有できるから、大変なことが99.9%でも残りの0.1%がめちゃくちゃ楽しいですし、嬉しい瞬間っていうのがやっぱりくせになります」と教えてくれました。

マネージャーの仕事で一番やりがいを感じた瞬間は「担当している音楽系のアーティストやタレントの音源がリリースされたときです。制作過程における瞬間瞬間の細かなところを見ることができるというのはすごく楽しいですね」と笑顔で話してくれました。

マスコミ関係の仕事は忙しく、休みも少ないイメージがありますが、ホリプロインターナショナルでは会社の規則として、通常土日は休みとなっています。音楽系のアーティストやタレントを担当する尾木さんは、土日はライブが入る場合があるため、代わりに平日休みを取ることもあると教えてくれました。休みの日には、残務をするか、趣味であるサッカー観戦をすることが多いと言います。海外サッカーをリアルタイムで観るのが好きで、休みの日には早朝4時に起きることもあるそうです。

マネージャーになるために、勉強しておいたほうが良いことを尋ねると「マネージャーって何か資格が必要なわけではないし、なろうと思えば誰でもなれる仕事です。ただ、自分だけの武器みたいなものを1つ見つけることですかね。特別に勉強はしなくていいと思います」とアドバイスしてくれました。

 仕事に全力な尾木さんですが、自身は「自分が仕事をして、満足したことはまだないです。その都度の達成感はありますが、それだけで満足してしまうとたぶん、それで終わりになってしまうので、もっとできたんじゃないかなという反省のほうが大きいですね」と自分には厳しくありました。

ホリプロインターナショナルは2018年の6月にできたばかりです。もともとホリプロ本社にいた尾木さんは、新しく事業ができる段階で異動しました。立ち上げからずっといるので「いずれは社長になれたらいいですけどね。気持ちはでかく持たないと」と夢を大きくもつ姿が頼もしく見えました。

取材:石井 冴、木村李愛、野村 梓